国籍も年齢も関係なく、男は男であり、女は女に過ぎない。 仲間達からはクールで理知的、そう思われている自分でも、女である以上は人肌、殊に男のソレが恋しくなる日もある。それが、祖国を離れ独りで過ごさなければならない誕生日であるならば、尚更だ。 「……あ、……ん、っ、あ」 身悶える少年の顔を見上げながら、ステラはクスリと微笑んだ。 恋人――どころか、名も知らぬ整備兵。年齢は自分よりも十近くは若いのではないだろうか。少なくとも、外見的にタリサかそれよりも下に見えるのだからあながち間違ってはいないと思う。 当然、そんなまだ幼いとさえ言える彼がこの基地で整備兵をしている理由、身の上話など知る由もない。 偶然。 本当に、ただの偶然だった。 独りきりの誕生日を寂しいと感じはしても、まさか仲間達にわざわざふれ回って祝ってもらおうだなんて、それこそ柄ではないし、そんな歳でもない。演習も終わり、後は自室に戻って少しばかり高い酒でも空けて寝るだけ……と、そんな時だった。彼の視線に気がついたのは。 気がついた、とは言うものの、別に今日が初めてだったわけではない。以前から視られている事は知っていた。 別にそれを鼻にかけているわけではないが、自分は相応に整った容姿をもっているという自覚はあったし、基地内の男共から注がれる視線にもステラはとうに慣れていた。男性経験は人並にあるし、衛士などしていればそれこそ刹那的な情欲に身を任せてしまうような場面も何度かあった。 男を知り尽くしている、だなんて悪女ぶるつもりは無くても、清純派を気取るつもりも無い。そんなステラなので、少年からの視線に気がつかないわけがなかった。 演習の前後、機体のチェック中、ハンガー内を何気なく歩いている時。いつも彼は自分を視ていた。 年上の女性に対する憧憬だなんて、なんとも青臭く、同時に懐かしい感触。他の視線に埋没することなくステラが意識していた理由はそれだった。 戦争の最中であれば、ユウヤや唯依のように例外的な人間を除いて、殆どの者は甘い恋の囁き合いよりももっと単純な粘膜的接触を求めたがる傾向にある。生きるか死ぬかの瀬戸際で生存本能、繁殖への欲求を刺激されるからだなんてよく言われてはいるが、単純に余裕がないからだろうとステラは実感として考えていた。 恋愛は、何も甘ったるい喜びにばかり充ち満ちているわけではない。ひどく疲れもすれば、制御出来ない感情の暴走に振り回されることもある。そんな暇、余裕と言うべきものを戦時下で持ち続けられる者の方が稀少なのだ。 けれど、たとえ錯覚であっても人は恋に恋い焦がれる。 ステラとて、そうだ。 理性は様々な言い訳を並べ立ててその感情を抑制しようとするが、真っ当な女としての情念は容易く捨てきれるものでもない。唯依を応援したくなるのもそのせいだろうとステラはそう自己分析していた。 むしろ、理屈で考えてしまう自分のような類の人間は、純粋な存在に心惹かれてしまうものなのだ。少年に声をかけたのも、彼の視線にそんなくすぐったい何かを感じたからに他ならない。 寂しい女が男を求めるのに、面倒な理由なんて不要なのだ。 だから、求める。 「……やっぱり、悪い女かも知れないわね」 ――自分は、思っていたよりも残酷な女なのかも知れない。 ふと、そんな考えが頭を過ぎった。 「……ふ、ぅ……くっ……、……? ……ブレーメル、少尉?」 気付けば少年が不思議そうに見下ろしていた。どうも、少しばかり考えに耽りすぎていたようだ。動きが疎かになっていたのかも知れない。 「……あ、あの! ど、どうかしましたか? ……じ、自分が、何か失礼な……」 「クスッ」 しどろもどろ、必死な顔が可愛らしくてステラは思わず吹き出してしまった。もっと困っている彼を見ていたい、なんて邪な考えが浮かびもしたが、これ以上は流石に可哀想だろう。 まず間違いなく童貞であろう少年を虐めすぎるのもよくない。 「いいえ、違うの。何でもないのよ。……ごめんなさい?」 「あっ、い、いえ!」 ハンガーの物影で、片や下半身を丸裸、片や胸を露わにして互いの肉を擦り合わせているというのに、その生真面目さはステラには好感がもてた。 「フフ。それじゃ……続き、しましょうか」 「……ぅあっ!」 ユーコン基地に所属する男達のうち、果たして何人がステラのこの乳房を揉みくちゃにしたいと望んでいることだろう。少年は、こうして自分の肉棒が彼女の胸に挟み込まれている光景を見てもまだ信じられずにいた。 大きくて、美しくて、柔らかくて、温かくて、イヤらしくて、キモチ良くて…… とてもではないが言い尽くせない。ステラの胸は、少年にはあまりにも眩しすぎるこの世の神秘だった。 だから今この瞬間は、彼にとって奇蹟も同然なのだ。 そんな少年の心理を全て理解、掌握しているかのようにステラは妖艶に微笑み、ペロリと唇を舐めた。 「……フフ。いいわ、とっても元気よ……あなたのオチンチン」 フッと、谷間から飛び出た亀頭に息が吹きかけられる。
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「あぁああっ!?」 なんて敏感なのだろう。 反応の全てが初々しくて、ステラはゆっくりと、丹念に胸をこね回した。 少年の肉棒は包茎気味ながらも、大きさや硬さに関しては文句なく、それどころか世に蔓延る口先だけのプレイボーイ気取り達が歯軋りして悔しがるのではないかというくらい立派だった。 思わず喉が鳴りそうになる。 もっと少年らしい幼い性器を予想し、まぁ仕方がないかなとその点は不完全燃焼を覚悟していたため、これは嬉しい誤算だった。 自分を性欲旺盛な女とは思わないが、それでもどうせ肌を重ねるなら思い切りキモチ良くなりたいし、乱れたい。 彼の肉棒なら、きっと満足出来るはずだ。 「しょ、少尉……ぃ……う、あっ」 ブルッと少年の腰が震えた。 先端から洩れ出している先走りの量も、大したものだ。 「んっ……ふ、ふ……ふぅ、……あっ♥」 懸命に堪えている少年の顔を見上げているだけで、自分も激しく昂ぶってきているのをステラは感じていた。 肉棒を扱き立てている乳房が熱く火照り、乳首が硬く勃起してしまっていることに、彼は気付いているだろうか? ……そんな余裕は、無いだろう。 そこで余裕を持てるような男なら、多分自分は声をかけなかったろうなとステラは苦笑した。意外と、性癖の面では自分は駄目人間なのかも知れない。 「……でも、別に良いわよね」 「はぁ……ふ、……ぅえ? ……ブ、ブレーメル少尉?」 「……もぉっ」 唐突に、ステラは今まで以上に強く肉棒を圧迫した。 「うぁああっ!?」 少年の口から魂切るような悲鳴があがる。当たり前だ。今の衝撃で射精してしまわなかったのは称賛に値する。 が、ステラは彼を誉めはせず、ジト目で睨め上げた。 「ダメでしょう、こんな時に」 「……え、え?」 何が何やらわからない、混乱しきった顔で少年はステラを見下ろしていた。今にも泣き出しそうな雰囲気に、ヘソの辺りがムズムズする。 「雰囲気、出ないじゃない? いつまでも、ブレーメル少尉、だなんて」 「あっ! ……あっ、そ、それは……」 我ながら意地が悪いと思いつつも、ステラは両側から強く胸を押しその状態でジワジワと肉棒を上下に扱いた。 「ひぁあああっ!?」 「……そんな子には、オシオキしなくちゃ……ねっ」 亀頭が、柔らかな乳肉で押し潰される。 「うぁあっ、ひ、ひぃいいっ」 目尻に浮かんだ涙がまた加虐心をそそる。気分はすっかり淫乱な悪女だ。 唇の端を釣り上げつつ、ステラはピンク色の唾液で充分にヌメッた舌で、少年の同じくピンク色の亀頭を一舐めした。 「アヒィイイッ!?」 肉茎が乳房の中で大きく脈打つ。 「ねぇ……わかった、かしら?」 意地の悪い流し目が、少年を射る。 それでも肉棒は萎縮することなく、むしろ一層大きさと硬さを増してステラの胸肉を押し返そうとしていた。 「……ん、ちゅっ♥」 「ひゃあぅっ!」 先端に口付けられ、少年はこれ以上はもうたまらないとばかりに必死に何度も何度も頷いた。目尻に溜まっていた涙が僅かに零れ、頬に筋を作っている。 「わ、わかりました! わかり、ましたから……――」 「……そう。……ふぅ、……んっ、はぁ……んむ♥」 「あぁあっ!」 なのに、言葉だけでは信じないとばかりにステラは攻撃の手、いやさ口撃の舌を緩めなかった。鈴口を割るかのように舌はチロチロと艶めかしく動き続け、その度に少年の肉棒が、腰が、全身がビクビクと波打つ。 「ふむ……んっ、ちゅぷ♥ ……はぁ……んっ、む♥」 「やっ、いぃいいっ! は、ぁ……ブ、ブレー……ん、ぐ……ス、ステラさんっ!」 これ以上はもう辛抱たまらんとばかりに絶叫した少年に、ステラは満足げに目を細めると胸の動きを速めた。 「はっ、うぁあああステラさ……ひぅうううっ!?」 少年が、思い切り身を捩る。 それでも逃げられない。逃げるなんて選択肢はない。 身を捩り、悶えながら、彼は押し寄せる官能の波に翻弄されていた。まだ自分で快感を制御出来るような年齢でもなければ、無論経験も無いのだ。 ステラの胸に、仄暗い支配感のようなものが湧いていた。 今、自分は一人の少年を征服し、蹂躙し、支配している。 「ん、ふふ、……は、ぁあ♥ スゴイわよ……おチンポ、こんなに震えて、先っちょから涙流してるの……んっ、ちゅる……れろっ……んぅ、……苦いわぁ♥ 先走りの、おチンポ汁……まだまだ溢れてくる♥」 「ス、ステラさんっ、じ、自分は……僕は、もぉ……あぁあっ!」 とうに限界など超えているのだろう。 それでも仄かな恋情と憧れの対象である年上の女に情けない姿は晒せないと、必死に堪えている少年の姿にステラはゾクリと背筋を震わせた。 なんて、真っ新で……可愛らしいのだろう。 「もう? もう、射精してしまうの? ……んっ、はぁん♥ まだ、もう少し……我慢、して? ……わた、しも……もう、すぐ……だからっ」 ステラの言葉に少年は目を丸くした。 もうすぐ、というのが何を意味するのかわからないわけは無い。ただ、にわかには信じられなかったのだ。 「あっ♥ いい、わ……あなたの、おチンポ……ん、すぅ……ふ、くっ♥ 逞しくて、臭くて、血管が太く脈打ってるのが……胸に、ビクビクって、伝わってくるの……それ、すごく……んっ♥ い、い……キモチ、いいの……ぉ♥」 ステラは何一つ嘘を吐いてはいなかった。 少年の肉棒の猛りに興奮しているのも、挟み扱くことで乳房がひどく感じていることも事実だった。元々、胸で感じる方なのだ。そこに彼の怒張した若い剛直は、途中からステラも圧倒されつつあった。 熱い。 擦れ合う肉と肉が。 「んっ、ふ、むぅ……くちゅ、じゅる……んむ、ふぅううんっ♥」 少年の亀頭に唾液を垂らし、ステラはより激しく乳房を動かした。 滑りの良くなった胸と肉棒が、ぐちゅぐちゅと淫猥な音を立てる。それを聞いているだけで脳は痺れ、背筋は震え、子宮は疼いた。 誕生日の夜に。 ハンガーの物影で。 十近くも歳の離れた少年の肉棒を、胸で挟んで……乱れている。 背徳も背徳、なんて淫靡な行為なのか。 「あっ♥ ……震えてる……あなたの、ちんぽ……根本から……んっ♥ もう、すぐ、精液が……昇ってきてるの……わか、る……ぅ♥」 「あうっ、う、ぁあああ……ッ、ぼ、僕、もぉ駄目ですステラさんッ! も、もぉ無理ィいッ、射精ちゃうっ! 射精ちゃいますよぉおッ!!」 ついには自分から腰を振り始めた少年は、涙を零しながら哀願するかのような眼差しをステラに向けた。 涙を零しているのは目だけではない。 鈴口からも先走りと呼ぶには多すぎる量の汁がだだ漏れとなり、パンパンに膨れた亀頭は今にも爆発しそうだった。 「もうっ、もう射精ちゃうのね? おチンポから精液射精しちゃうのねっ!? ええ、ええわかったわ、わかったから……はぁんっ♥」 ステラも、絶頂までもうあと僅かだった。 押し寄せる官能の波が、最大の高波となる一歩手前のような状態だった。 痛いくらい勃起した乳首も、だらしなく零れる唾液も、白く靄のかかりそうなくらい熱い吐息も。 今、全てが集束し、ステラは眼の奧で火花が散ったような気がした。 「うっ、ぁああああステラさぁあああああああンッ!!」 「クるっ♥ 射精ッ! チンポ汁、射精していいからぁあっ♥ わた、私ももうイクッ! イッちゃうからあ♥ おチンポ胸で擦って、パイズリでイッちゃうからぁああ♥ ふぁ、お、んぁあああああああああああッ♥」
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白い火花だった。 真っ白な波が、全てを押し流していく。 もう何も考えられず、ステラはただひたすら絶頂に打ち震えていた。 この快感が永遠に続けばいいのに、そんな甘い想いを抱きながら。 「……はぁ……は、ぁ……」 「う……ふ、ぁあ」 二人とも肩で息しながら、ステラは少年の脚と股間に身体を預け、少年は壁に寄り掛かりながら、絶頂の残滓を反芻し、余韻に浸っていた。 まさかあそこまで激しく達してしまうとは、ステラも思ってもみなかった。一方的に翻弄するつもりが、顧みれば結局は一緒になって感じてしまっていたのだから、けれどまぁそれも悪くないよう思える。 「……んっ、……ふふっ♥」 ようやく意識がハッキリしてくると同時に、ステラは半勃ちの少年の肉棒を胸に挟んだまま不敵な笑みを浮かべた。 「あっ!」 射精直後の刺激に過剰に反応したのか、少年の腰が震えながら引かれようとするのを腕で抱き止める。 「ス、ステラさん?」 「んちゅ……ぺろ……ちゅく、じゅる……んむ……んっ、んく♥」 困惑している少年に、ステラは口の周りの精液をわざとらしく音を立てて舐め取りながら、再び淫蕩に酔った微笑を向けた。 「フフ……♥ いっぱい射精しちゃったけど……」 精液の苦味に喉が震える。 もっと、欲しい。 もっと飲みたい。 「……これでお終いじゃ、無いわよね?」 「あぁあっ!」 まだ、日付が変わるまでは時間がある。 「んっ♥ ……本当に、ステキなおチンポ♥」 折角の誕生日なのだ。なら、もう少し我が侭に過ごしても許されるだろう。独りきりだったはずの夜を、熱く激しく狂おしく過ごすくらい罰はあたるまい。 それに―― 「……溺れてしまうかも」 「え?」 クスリ、と微笑んでステラは少年を見上げた。
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「何でもないわ」 そう、何でもないただの呟き。 少年は、自分のような悪い女に捕まった不幸をただ嘆いた方が良いのだ。その方がきっと自分にも、彼のためにも一番良い。 けれど、今だけは―― 「さぁ、愉しみましょう? 夜は、長いのだから……♥」 「は、はい……あっ」 まるで吸精する淫魔のように。 ステラは、少年の肉棒に口付けし、再び激しく扱き始めた。
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