淫虐の乳姫



◆    ◆    ◆





「お、おやめなさい!」
 真夜中の森に女の悲鳴が木霊する。
 気高く、凛とした、高貴なる者のオーラを帯びた声は、しかし取り囲む無数の野盗達を相手にはあまりにも無力過ぎた。
 楠舞神夜。
 神楽天原『和の国』の皇族、楠舞家の姫にして『悪を断つ剣』の異名をとる少女は、傷つき、愛刀たる護式・斬冠刀ももはやその手にはない。
「ふへへ……な〜にをおやめになればよろしいんですかねぇ、お姫様?」
 野盗の一人が小汚い垢まみれの顔を近付け、臭い口を大きく開けて神夜を嘲る。このような下郎達に後れを取るとは不覚だった。
「街の人々や旅人への不埒な行いです! 貴男達の暴虐は許されるものではありません!」
 それでも神夜は悪臭に顔を顰めつつ怒声を放った。
 家のしきたりに従い全国を旅して回っている中、偶然立ち寄った街で野盗による被害を聞き、人助けこそは我が天命とばかりに勇んでやって来たまでは良かったのだが……相手は、ただの野盗ではなかった。
 総数は十五人以上。そのいずれもが腕に覚えのある傭兵くずれだったのだ。
 神夜は強い。並のゴロツキならば十五が三十であろうと寄せ付けなかったであろう。事実、腕利きとは言え瞬く間に五人を倒して退けた腕は外見に見合わぬ凄絶さだった。
 が、そこまでだった。
 残る十人は神夜を強敵と認識するや一切の容赦なく彼女を取り囲み、戦場仕込みの技で翻弄、ついには彼女の愛刀を弾き飛ばし、今に至るのだった。
「やれやれ……気の強いこって。この期に及んで街の連中や見ず知らずの旅人の心配なんざよくもまぁ出来るモンだ」
「当たり前です! 貴男方の非道な行い、私が――」
「うるせぇよ」
「きゃぁんっ!?」
 ご立派な口上も、こうなってしまっては野盗達の物笑いの種にもなりはしない。軽く頬を張られ、力無く膝を折った神夜を野盗達はゲラゲラと指差して笑い……やがて、皆一様に目をギラつかせ始めた。
「しかし本当にご立派だぜぇ? なんせ、街の連中や旅人への不埒は許せなくてもご自分への不埒は許すと仰ってるんだからな!」
「ヒヒ。ちげぇねぇや。ひゃっはははは!」
「――……え?」
 一瞬、呆然となった神夜は男達の視線に気付き、咄嗟に胸を庇った。激しい戦闘ではだけた衣装は、その辺りの感覚に疎い神夜からしてもわかるくらい扇情的だ。
「ち、近寄らないでください!?」
 尻餅を突いたまま後退るも、その背はすぐに大木にぶつかり、逃げ場は失われてしまった。元々男達に神夜を逃がすつもりなど毛頭無い。
 服に収まりきらないたわわな爆乳も、肉付きの良い尻も、男の目を誘う太股も……全てが、男達の獣欲を掻き立てていた。
「まぁそう邪険にしなさんなよ、姫様よ。オイラ達がすーぐにキモチ良くしてやるさね」
「そうそう。これでもちょいと自信があるんだぜぇ?」
 そう言った男は既にズボンを脱ぎ捨て、股間にそそり勃つ肉棒を隠しもせずに神夜の眼前に晒していた。
「ヒッ!?」
 口臭とも比べモノにならない、饐えた悪臭が神夜の鼻腔を冒した。思わず目尻に涙を浮かばせ、喉奧からくぐもった悲鳴を漏らし続ける。
「やっ、ひぃ……いっ、いやぁ……ッ」
 子供のように頭を振る様がさらに男達を興奮させるのだということに神夜は気付かない。ただ無様に手を突き出し、男達を遠のけようと必死に振るのが精一杯だった。
 そんな手首を、男の一人が掴む。
「痛ッ!?」
 万力のような力だった。無骨な護式・斬冠刀を自在に振り回すにしては細すぎる神夜の手首が、軋み、悲鳴をあげる。
「は、放して……放してくださいっ!」
「つれねぇなぁ姫様。オレ達は姫様のことが好きで好きで、もうこんなに硬くなっちまってるのによぅ」
「え? ……やっ、い、いやぁああああああああっ!!?」
 手首を握り締めたまま、男は自らの膨れ上がった股間に神夜の手を押しつけると、そのまま気持ちよさそうに擦りつけた。
「やぁああっ! いやっ、やめてくださいっ!? こ、このような――」
「そうだぞ。そんな回りくどい事してちゃあ姫様が可愛そうってモンだ。こんな男好きするカラダをお持ちなんだから、もう欲しくて欲しくてたまらねぇだろうに」
 とんでもないことを勝手平然と言ってくる。
 神夜は狂乱した。
 今までにも男の悪意に晒された経験は無くはなかったが、それらは類い希なる剣腕によって排除してきた。だが今回は違う。自分は敗れ、彼らの慰み者になる以外に道はないのだ。
「おい、もう俺我慢できねぇぞ……も、もぉぶち込みてぇ」
 既に半数程は服を脱ぎ散らかし、今にも神夜を陵辱せんばかりに滾っていた。男達の汚らしい剛直を目にし、神夜が声にならない悲鳴をあげる。
 喉がカラカラに乾いていた。
 なのに涙だけは浮かび続けている。
「そうだな。いつまでもこうしてたって仕方ねぇし。こんなスケベなカラダしてんだ、前戯も要らねぇだろ。そら、いくか」
「最初は誰からにする?」
「そんなのオレだぁ。姫様のぶっとい刀を弾き飛ばしたのはオレなんだからよぉ」
 そう言って前に出てきたのは、野盗達の中でも一際ゴツい男だった。歴戦の勇士らしい筋骨隆々とした肉体は神夜の軽く二倍はあろう。その豪腕で振り回される斧の一撃により、神夜は護式・斬冠刀を不覚にも弾き飛ばされてしまったのだ。
「ったく、しょうがねぇなぁ。ちゃっちゃと済ませろよ?」
「あといきなり膣出しも厳禁な? テメェの汚ぇチンポ汁まみれになったマンコなんぞゾッとしねぇや」
「はは、違いねぇ」
 男達がさぞ愉快そうに笑い合うのを聞いて、神夜は頬を引きつらせていた。彼らは、何がそんなに愉快なのだろう。女一人を十人がかりで陵辱するのがそんなに愉しいことなのだろうか。彼らには戦士としての誇りや、人としての慈悲は無いのだろうか。
「そいじゃ、いくぞぉ」
「ひぃいいいいいいいいいっ!?」
 下着は一瞬の抵抗すら許されずまるで紙切れのように引き千切られていた。顕わになった秘所を見やり、男達が歓声をあげる。
「おほぉ! 姫様のマンコだ!」
「綺麗だなぁ……ピンク色だぜ?」
「処女か? 処女なのか!?」
「うるせぇ、ちぃと黙ってろ。処女かどうかなんてチンポを突っ込んでみりゃわかることじゃねぇか」
「いやぁあああああっ、はなっ、放してくださいッ!? あ、貴男達は本当に、このような――ッ、はぁ、ひぃぎぃいいいっ!!?」
 神夜の言葉など聞く耳持たず、男の剛直が秘裂を乱暴になぞる。
「んだ、全然濡れてこねぇなぁ」
「やっぱ初めてなんじゃねぇのかぁ?」
「おいおい、だったらやっぱオイラが最初に……」
 野盗共が何やら騒いでいるのを神夜は狂ったように抵抗しながら聞いていた。性交渉の経験などあるワケ無いではないか。自分には、まだ夫どころか恋人すらいないのだ。異性に肌を許す機会など、あるはずがない。
 なのに……まさか、初めての相手が薄汚い野盗達だとは……乏しい性知識から彼らが今後どうするつもりなのかを考え、神夜は身震いした。
 あの大きな肉棒で貫かれ、自分はどうなってしまうのだろう。初めては痛いと聞いている。戦いの痛みには慣れているつもりだったが、果たして破瓜の痛みとはどれほどのものなのか。
「まぁ、濡れて無くても何とかなるわな。ヤッてりゃそのうち濡れてくんだろ」
「ぎゃびぃっ!?」
 男の剛直が、無理矢理に秘唇をこじ開け、膣内に侵入を果たさんとしてくるのが直に感じられ、神夜は泣き叫んだ。
「やだっ、やだやだやだやだやだやだやだやだぁあああああッ!! やめてくださいお願いだからやめてやめてやめて入れないでぇえええッ!!?」
 裂ける。
 本気でその危機を感じ、神夜は身をよじった。男のモノは大きすぎて、まるで身体の中を剔りながら掘り進んでくるかのようだ。
「ダメッ! これ以上は、これ以上は本当にダメなんですっ!! お願い、お願いですからぁっ! 後生だから堪忍してぇええええっ!!」
 虚しく響き渡る悲痛な叫びは、男達の下卑た笑い声にすぐに呑み込まれ、掻き消されていく。
 容赦など、欠片も無かった。
 奧まで一気に貫かれ、神夜は目を剥いていた。
「ひぃぃぃぃいいいいぎぃいぃあぁあああああああああッッ!!!」
 全身が痛みに支配されたかのような感覚。
 戦いの痛みとは全く異なる激痛に神夜は絶叫し、拘束されたまま荒れ狂った。
「おお、すげぇ力だなぁ」
「おいおい痛がりすぎだろ……大袈裟だなぁ姫さんよ」
 ニヤニヤと笑いながらより強く神夜の腕を押さえ込み、男達はそれぞれ下半身を漲らせていた。もう我慢が出来ない。一刻も早く、この極上の肉穴にブチ込みたい。
「ひぃぐっ! いだぁっ、や、やぁあっ! やめでっ、やめでぐだざいぃぎぃいいいいっ!? ぎゃふ、うぎ、うぎぃいいいいっ!!」
「も、もぉ我慢出来ねぇ!!」
「俺もだぁ!」
 これ以上は辛抱たまらんとばかりに肉棒を取り出していく野盗達。ある者は神夜の爆乳に亀頭を擦りつけ、またある者は強制的に手で扱かせるなどして快感を得ようとする。さらには勝手に自慰をし出す者までいた。噎せ返るような男達の匂いが神夜の鼻腔をも犯していく。
「臭ッ!? お、おぇ……な、なに? なんなの!?」
「臭いだぁ? まぁそりゃそうだろうなぁ。もう最後に洗ったのがいつかなんて思い出せねぇようなチンポだかんな」
「いやぁあっ! もういやっ、いやだぁああああああっ!!」
 今まで欲望に滾る男性器など見たこともなかった神夜にとって、今の光景は悪夢そのものだった。男達の欲望が蠢き、自分という女をひたすらに、一方的に蹂躙していく。
「ひぃぐっ! いぎっ、ひゃがぁああああっ!! ……う、うぅ……やぁ……やめ、やめてぇ……ひぅ、う、あぅう……ひぃっ!?」
 突然、ありえない場所に走った痺れるような感覚に神夜は仰け反った。神夜の知識、常識を覆す感触。それはあってはならない、あまりにも不浄な場所からのものだった。
「へへ。じゃあオレはコッチの穴を使わせてもらうとするか」
「なっ!? そ、そこ――」





◆    ◆    ◆
◆    ◆    ◆





 軋む音がした。
 ミチミチ、ミリミリと、秘裂以上に無理矢理突き進んでくる感触。
「んっ、お、おぉおおおおお……すごいぜぇ……姫さんのケツ穴、オレのチンポをギューギューに締め付けてきやがるぅ」
「はごぉお……ごっ、ぎぃぐぅうううううう……げ、ぐ?」
 苦しい。内蔵を直接圧迫されているかのようだった。
 肛門を貫いた肉棒の脈動が、神夜を震わせる。
「あぎっ、あが……ぎ、ひぃ……ぐっ」
「おぉおお……ケツにチンポ突っ込まれた途端に前の方も締め付けが……つ、強まりやがって……」
「はっ……こぉ……おっ、お、おごほぉおおお……ッ」
 全身を思いきり殴られたかのような衝撃が、男達が動くたびに幾度と無く神夜を襲った。息が詰まる、眩暈がし、吐き気がする。
「い、や……です……ぅ……わ、た……し……もぉ、やめ……」
「んだよ、泣き言かぁ? 折角滑りも良くなってきたってのに情けねぇ姫さんだなぁ」
「……ほ、……は、あ?」
 滑りが良くなった、と言われて神夜は首を傾げた。自分ではまったくそんな気はしない。相変わらず前後の穴を交互に剔られ激しい痛みを感じるのみだ。
 なのに……確かに、男達の動きはスムーズになりつつあった。
 理由がわからず、神夜は涙で曇った目で接合部に嫌々ながら視線を向けた。が、すぐさま目を背けたくなる。
 自分の体内に容赦なく侵入する、グロテスクな二本の肉塊。ずちゅ、ぬちゅとイヤらしい音をたて、それらが前と後ろの穴を交互に出入りしているのだ。
 信じられない、信じたくない光景だった。
「おやおや、姫様、オレらと愛し合ってるとこをそんなに見たいのか?」
「ッ!? ち、ちがっ、いやぁあっ!!」
 愛し合っているなどと嘯かれ、神夜は悲しみと悔しさにさらなる涙を溢れさせた。
 何が愛だ。
 こんな行為のどこに、愛なんてものがあるというのだ。
「バ、バカに、しないで、くだ……ひっ!? ぎ、くふぅっ!」
 満足に喋ることすら出来ない。目も耳も塞いでしまいたかった。あの光景も淫猥な音も全て夢か幻だと思い込みたかった。
 しかし男達はそれすら許さない。
「ほら、折角なんだしもっと見ろよ。オレ達のきったねぇチンポと姫様の愛らしいピンク色のマンコがグッチュングッチュン繋がっちまってるとこをよ!」
 胸に剛直を突き立てていた男が神夜の頭を拘束し、さらに目を見開かせ無理矢理に接合部を直視させる。
「やめっ、見せないでっ! いやっ、見たくない、そんなの見たくないぃいいいっ!!」
「そう言うなよ。姫様だってノッてきたんだろ? そら、マンコからスケベ汁が溢れ出し始めてるぞ?」
「……ふ、ぇ?」
 聞き慣れない単語に神夜は呆けた顔をした。
 スケベ汁、とは何なのだろう。そんなもの、神夜の知識には無い。
「ス……ケベ、じる?」
 ポソリ、と呟いたのを男は聞き漏らさなかった。さらに大笑いしながら勝手に説明を始めた。
「おうとも、スケベ汁よ! あんたのマンコがオレ達のチンポをキモチイイ〜って感じると溢れてくるのさ」
「なっ!? そ、そのようなことありません! あるはずない!」
 懸命に否定しながら神夜は接合部をもう一度見た。
 確かに、汁っぽいものが見える。男達と自分の接合をよりスムーズに行わせているその分泌液の名を、神夜は知らなかった。
 もしかして、と。
 男の言葉は真実を含んでいるのではないか、不安になる。そうならば自分はなんと不貞な、淫らな女なのか。このような下衆な連中に無理矢理処女を奪われ、挙げ句快感を得ているだなどと……――
「まぁ姫さんも初めてじゃないみてぇだし、感じてたってしゃーねぇわな」
「ち、ちがっ!? 私、こんなコト初めてでッ」
「ん? だって特に血も出てねぇぞ?」
 膣穴を犯している男の疑問に神夜は蒼白となった。破瓜の際には処女膜が破れ出血するくらいは神夜も知っている。そして神夜は正真正銘異性と交わりを持ったことなど無い、処女だった。それどころか自慰行為すらコレまでまともにしたことはなかったのだ。
 なのに、血が、出ていない?
「な、なんでっ、私本当にっ!」
 嫌だった。こんな連中にイヤらしい女なのだと思われるのだけは死んでも御免だった。けれど改めて自分の目で見てみても接合部から出血している様子は見られず、神夜は困惑した。
 男達の嘲笑に死んでしまいたくなる。と、そこで尻を犯している男が何を思ったのか神夜の目尻を指で拭った。
「……え?」
「なぁに。初めてでも血が出ない女もたまにいるらしいからな。姫様がこんなに必死なんだ、信じてやろうぜ?」
 助け船、のつもりなのだろうか?
 優しくされているのかそうでないのかもわからず、神夜は戸惑いながら肉の刺激に耐えていた。
 やはり痛む。快感など……無い、はずだ。ただ痛痒と、痺れるような感覚のみが今の神夜を支配していた。
「はぐっ、うっ、ひっぐぅう……ぎひっ、ひゃはぁあッ!?」
 くぐもった嗚咽に、甲高い声が混じり始める。
「へへ。いいねぇ姫様。感じてるみてぇじゃねぇか」
「そら、もっとよく見ろよぉオレらと愛し合ってるとこをよ」
 見たくない。愛し合ってなんかいない。なのに男達の動きはスムーズになる一方だった。そしてそうなった分だけ、神夜の脳に痺れるような感覚が湧き上がるのだ。
「ひゃっ、ひぎっ、うひぃいいぅっ!?」
 乱暴に乳房を揉みしだかれる。大きくて、剣を振るうには邪魔な胸だった。それでも己の一部だ、愛着はあるし僅かばかりの優越感のようなものもあった。しかし今となっては野盗共の獣欲を満たす道具でしかない。
「うほぉ、柔らけえぇなぁおい」
「チンポがどんどん埋まっちまうぜぇ。姫さんの乳マンコは最高だぁ」
「やぁあっ、やめてっ、は、恥ずかしいこと言わないでくださいっ」
 顔から火が出そうだった。
「いひゃっ、も、もぉ、わた、わたしっ、こんなのウソ……嘘です、うそぉ……ぐ、ひぐっ、ふぐぅうっ!」
 痺れる。
 頭が痺れる。抓まれている乳首が痺れる。揉まれている乳房が痺れる。貫かれている秘唇が痺れる。肛唇も激しい痺れを訴えている。
「へへ、何もかもホントのことさ。あんたはそのドスケベなカラダで、オレ達のチンポを愛しちまったのさ。愛して、感じちまってるのさ!」
「そ、そんなぁっひぶぅううううううっ!?」
 陰核を擦り上げられ、神夜の身体が痙攣する。
 わからない。今自分の身体を支配している感覚が痛みなのか苦しみなのか、それとも連中の言うように快感なのか……愛、なのか。神夜は何もわからず、ただ喘いだ。
「ひふっ、ぎっ、ひゃっ、ふぁあああああっ! あふ、あひぅうううっ!」
 腹の中が熱い。
 焼きごてをそのまま突っ込まれているかのようだ。その焼きごてが一層膨らんでいくのを感じ、神夜は何かを予感した。
「……うっ、……え、えぇ……? ……こ、これ……なに? ……ぎひっ!? やっ、あ……ふ、膨らんで……ッ」
「おお……ひ、姫様の膣内があんまり良いからよぉ……も、もう射精ちまうぜぇ……」
「お、オレもだぁ」
 射精、という言葉に一瞬何のことかと戸惑い、やがて気付いた途端神夜は瞠目していた。いけない。射精とは、男性器が精液を放つこと。それが意味するところは、即ち――
「いやぁあああっ!! ダメ、ダメですっ、抜いて、抜いてぇえええええッ!!」
 恐怖に歪んだ顔で神夜は叫んでいた。
 膣内で射精なんてされてしまったらどうなるか、世辞に疎い神夜であっても知らないはずがない。膣内射精の結果が妊娠であることくらいはいくらなんでも知っている。
 実際には射精する時だけ外にしても避妊にはならないのだが、そんな事今はどうでもよかった。わかるのは、自分が今野盗共の子を孕ませられるかも知れない危機に直面しているということだけだ。
「はんっ、抜いてだぁ? ナニをだよ。そこんとこちゃんとお願いしてもらわねぇと、なんせ俺らバカだからよぉ」
「ははっ。言って貰わないとわかんねぇやな……うっ、お、おぉ……もうダメだぁ……姫様、締め付けすぎだぜぇ」
 男達の動きは激しさを増すだけで、抜くどころか止まる気配すらない。それでも神夜は一縷の望みにかけて叫んだ。もしかしたら、許して貰えるのではないかと。彼らだって人間なのだ。慈悲の欠片くらいはあるに違いない、と。
「お、おねがいしますぅううっ! 抜いて、抜いてくださいッ! あ、貴男方のこの……コ、コレを私のアソコから抜いてぇええええっ!!」
「コレじゃわかんねぇよ。なぁ?」
「おう。コレだのアソコだの、なんのことだぁ?」
 目の前が真っ暗になりそうだった。
 どうしろと言うのだ。
 彼らは、いったい何が望みだというのだろう。そんなに自分を妊娠させたいのだろうか? そうなのだとしたら、産まれてくる子供はどうするつもりなのか。
 神夜にとって性行為とは愛し合う男女が子を成すためのものだった。なのに愛してもいない相手の子を妊娠させられる……それがまずわからない。彼らは自分を孕ませて、……何を?
「ひゃぐぅううううう!? だ、だって、お願いしろってっ、だから、私っ、きゅふっ、いぎぃいいいいっ!?」
「だ、か、ら、よぉ。お願いしてるのに、そんなあやふやな言葉じゃわかんねぇだろ?」
「……あっ、あや、ふ、や?」
「そうともよ。こいつらを何て呼ぶのか、知らないワケじゃねぇだろ?」
 言えるわけがない。そのようなこと、口に出せるはずがないではないか。唇を震わせ、神夜は必死に、哀願するように男達を見上げた。が、そこにはいくつもの下卑た薄ら笑いが浮かんでいるのみ。神夜の願いなど踏みにじって当然とでも言いたげな顔だった。
 こうなっては、恥を忍んで最後の望みに懸けるしかない。
「お、おねがい……しま、すぅ……」
「あん?」
「……わ、わた……しの……ンコ、か、ら……」
 蚊の鳴くような声。
 今にも掻き消えそうな声で、神夜が願いを紡いでいく。
「……ん、ちんを……ぬいて……くだ……さい……」
「聞こえねぇよ! 何言ってンだ姫さんよぉ!?」
「ひっ!?」
 羞恥に耐え、何とか口にした言葉すら否定され、神夜は嗚咽を漏らした。
 もう、駄目なのだろうか。
 このまま、自分は彼らの子を孕ませられ……彼らの妻となるしかないのだろうか?
「……い、……ぁ、やあ……っ」
 ――嫌、だ。
 そんなのは、嫌だ。
「お、おねがいしますぅっ!」
「あん?」
 張り裂けそうな声で。痺れに狂わされそうな今の己が出せる最大の声量でもって神夜は叫んでいた。
「お、おぉお願いしますッ! わ、私の、私のオ……マ、ンコから……あ、貴男方の……お、おちん、ちん……オチンチン、抜いてくださいぃいいッ!!」
 もう、嫌だ。
 どうしてこんな恥ずかしい思いをしなければならないのか。神夜は泣きじゃくりながら男達を見上げた。相変わらず自分を見下して笑っている連中に、『言ったのだから、抜いて』と視線で訴えかけた。
 しかし、
「ふむ。ダァメだね」
「いっ!?」
 返ってきたのはあまりに惨い答えだった。
「オチンチン、なんてそんな言葉誰が使った? おい、オメェら、オチンチンなんて可愛らしく言った覚えあるかぁ? このチンポをよぉ」
 男共が腹を抱えて笑い出す。
 紅潮した顔が一気に青ざめていく思いがした。この上、まだ羞恥を強いられるのか。しかしそれさえ口にすれば今度こそ解放して貰えるのではないかと、神夜はグッとあらゆる不満を呑み込んで、叫んだ。
「ち……ぽ……です」
「あぁん?」
「ちん……ぽ……ですぅっ!」
「はは。なんだ、よく聞こえねぇぞ?」
「だからチンポです! 貴男達のおチンポ! おチンポを私のオマンコから抜いてくださいッ! お願いだから中で射精しないでぇえええッ!!」
 精一杯、出来うる限りの手は尽くした。
 あとはもう男達に委ねるしかない。
 神夜は、涙で曇る目でもう一度男達を見上げ……絶望した――
「ひゃっはっはっは! 言いやがった、お姫さん、チンポだのマンコだの大声でッ!」
「やっべ、超笑えるぜぇ……こんな高貴な御方が……チ、チンポ抜いてくださいだってよぉ!」
「……やっ、やぁ……い、いぃやぁああ……ッ!」
 慈悲なんて、初めから無かったのだ。
 彼らは畜生にも劣る獣の群れだったのだ。
 そして、自分はその獣達の子を……孕ませられるのだ。
「いやぁああああああああっ!! 抜いてぇチンポ抜いて抜いて抜いてぇええええッ!! 言いますからっ! なんでもイヤらしい言葉言いますから、言いますからぁああ! チンポでもマンコでも言いますからお願いします抜いて、私の中からチンポ抜いてぇえええええ!!」
 暴れる神夜の前で、男達の顔が一瞬険しくなる。
 まるで何かに耐えているかのような表情は、果たして一瞬後、清々しいまでの解放感に満ちた表情へと変じていた。
 何かが、熱く弾ける感触と同時に。
「……ぇ……?」





◆    ◆    ◆
◆    ◆    ◆





 何が起こったのか、神夜にはわからなかった。
「……あ、ぁ……う、……あ、ぇ?」
 注ぎ込まれている。
 熱い、液状の何かが腹の中でうねっている。ドロドロとしたこのような感覚には一切覚えがない。膣内もそうなら、肛門の中で弾けたものも同様だった。排泄物などとは明らかに異なる感触が腸へ向けてドクドクと流れ込んでくる。
 頬をヒクつかせながら、神夜は恐る恐る股間を見た。
 野盗の男性器が大きく波打ち震えている。まるで、中から何かを大量に吐き出しているかのようで――
「……ぁ……しゃ……せ、い?」
 ――気付いてしまった。
 途端、神夜の顔が、強張る。
「あーっ! コノヤロウ、いきなり膣内で出すなっつたじゃねぇか!」
「……ふぅ。いや、すまねぇ。あんまり締め付けるもんでよぉ」
 わなわなと唇が震え、やがて感情は叫びと共に迸っていた。
「いやぁあああああああああああああっ!! いやっ、いやぁああああああっ!! やだっ、いやっ、射精、中に射精されてっ!? いやっ、これいやぁああああああああっ!! 抜いて、すぐ抜いてください抜いてぇええええッ!!」
「う、おぉおおほお……ま、まだ出てるぜぇ……姫さんのマンコ、ヤバ過ぎだわコレ。すっげ……処女マン、ご馳走さんでした」
「ケツマンコも……うっ、す、すっげっ! 締め付け、止まんねぇ……ま、また射精ちまいそうだッ! 最高だぜ姫様よぉ」
 誉められても嬉しくも何ともない。むしろ汚らわしい、嘆かわしい、どうしようもなく否定したい悪夢のような現実だった。しかも連中はこれで終いにするつもりなど毛頭無いとばかりに、肉棒を萎えさせぬまま動きを再開しようとしていた。
 が、そうなるとまだ挿入していない奴らが当然不平を漏らし始める。
「おいおい、キモチイイのはわかったからとっとと替われよ! そんな最高の姫マンコ独り占めはねぇだろ?」
「オレっちはケツマンコでもいいぞ」
 我先にと殺到する男達を、神夜はまるで異世界の怪物でも見るかのような目で呆然と見上げていた。彼らは、本当に人間なのだろうか。鬼種にだってこのような外道はそうそう居まい。いや、むしろ人間だからこそ、ここまでの非道な真似が可能なのか。
「替われって言われてもなぁ……姫様のマンコが俺のチンポを放してくれねぇんだわ」
「ケツも同じだ。グイグイって美味そうにくわえ込んでよぉ」
 勝手なことばかり……神夜は唇を噛み締め、男達を睨め上げた。
「わ、私は……美味しくなんて、ありませんッ! ……こ、このような……早く、抜いて……くださいっ」
「およぉ? なんだ、もう忘れたのかい? 物覚えの悪い姫様だな。チンポだろ、チンポ抜いてくださいッ! っとぉ」
「はぐぉおおおおおおっ!?」
 思いっきり力強く突かれ、神夜は目を剥いた。
 子宮口を直接殴りつけるかのような激しい剛直の動きに翻弄され、神夜は情けない悲鳴を漏らした。悪を断つ剣たる自分が、このように無力だとは……
「のほっ!? お、おふっ、ぐ、ぐひぃう!?」
「そらそら。……んじゃ、もう一発射精したら替わるか……」
 と、膣穴を蹂躙している男が呟いたのに対し、
「替わらなくても大丈夫じゃねぇか?」
 尻穴を犯している男は何やら閃いたとでも言いたげに提案した。
「……どういうことだ?」
「いや、なに。姫様のこの素晴らしい穴だったら、もう一本くらいいけるんじゃねぇか、とな」
 神夜は、今日だけで何度我が耳を疑ったかわからないが、今度の一言は極めつけだった。
「……ぇ、ひ?」
 もう、一本?
 何が?
 どこに?
 神夜が結論を出すまでもなく、
「ふはぁ……お前もよくそんなこと考えつくねぇ」
「いや、前に一回やったことがあってな。この姫様ならいけんじゃねぇかと」
 男達は勝手に話を進めていく。
 キョトンとしていた神夜の顔が驚愕に歪むまでは、そう時間はかからなかった。





◆    ◆    ◆
◆    ◆    ◆





「ぎゃっ、がぁあ……ぐひっ、ぐほぉああ……ッ!!?」
 肛門に激痛が走る。
「おい、もうちょっとそっち寄れ。うまく挿入らねぇ」
「流石に狭いな……よっと」
 拡がっていく。拡げられていく。
 本来の用途とは全く異なる使用法によって、神夜の尻穴はありえないくらい拡張されつつあった。
「……お……ごぉ……がっ……はっ、あぁあ、ぎっ!?」
 信じられないにも程がある。
 股間を見やり、神夜は――完全に言葉を失っていた。
 二本。
 野盗の肉棒が、あろう事か二本同時に菊門を剔っている。
 一度目の射精によって滑りが多少良くなっているとは言え、どうしてそのようなことを思いつくのか……神夜は気が狂いそうだった。
 およそ人間の所業ではない。大体が尻穴を性交に用いること自体不自然なはずなのに、それを二本同時になんて……
「よーしよし、入った入った……しかしキッツいなぁ」
「バーカ。このキツさがいいんじゃねぇか」
「でもなぁ……こう、チンポとチンポが直接触れ合ってるのはあんまいい気分しねぇぞ?」
「まぁ、そこは仕方ねぇやな。……よっ、と!」
「びゃぎぃいいいいいいっ!!?」
 男が身をよじった感触、痺れるような刺激がダイレクトに腸から全身を伝う。痛み以外の何かを感じつつあった神夜にとって、それはあまりにも不可思議な感覚だった。
 引きずり出される。
 内臓全てが持っていかれるのではないかと神夜は恐れおののいた。大袈裟とは思わない。実際、神夜自身の精神はそこまで追い詰められてしまっている。
 理性を保っていられる限界が近付いていた。
「も、お……いや、だよぉ……イヤなんですぅ……お、お願い、しますからぁ……ぐずっ、ひぐっ、……く、ふぐぅ! ……や、やぁ……やなの、やぁ……おちんち……ぬいてくださひぃ……うぅ、うぁあ……っ」
「ハハ。ガキみてぇになっちまったなぁ。まぁ仕方ねぇか」
「そろそろキモチ良くなってると思うんだがなぁ。やっぱケツに二本差しはキッツかったかぁ?」
 嘲笑を浴びながら神夜は嗚咽した。
「お、とうさまぁ……かぁさまぁ……たすけ……ひぐっ、たすけ、てぇ……いぅっ、ひぃいいぃぃ……っ、誰か、誰かぁ……たすけ、てぇ……はぐっ、きゅひぃんっ、くふぅ……ッ」
 幼子のように父や母に助けを求め、啜り泣く神夜の身体を男達は容赦なく貪り続ける。二本同時というありえない状況にあった尻穴も、いつの間にか男達を受け入れつつあった。
「もぉ……もぉ、ワルモノ退治なんて、しませんっ……悪、なんて……断てません……わた、私、おとなしく良い子にしてますからぁ……だから、たすけ……いたいの、やぁあ……やぁなのぉ……!」
「ふーん。反省してるようだなぁ」
「そうだぜぇ姫様。悪者退治なんてお転婆してるからこんな目に遭っちまうんだ。……まぁ、オレらぁ役得だったがよぉ?」
「まったくだ。こんな極上のエロ女、滅多にいやしねぇぞ」
「ひゃうぅんっ!?」
 胸に突き立てられた肉棒が乳首を押し込み、神夜は思わず甘い悲鳴をあげていた。もう、どうしていいのか、どうなっているのかわからない。次第に状況を受け入れつつある己の身体が怖かった。
「おねがい、です。おねがいします……お、おちん……おちん、ぽ……抜いて、ください……もぉ、うごかないで、くださ、いぃ……私の中で、うごかないでぇ……っ」
 弱々しく訴え続けることくらいしかできやしない。
「へへ。可愛いねぇ」
「やべぇ……また射精そうだけど、おさまりそうにねぇわ」
「構うな構うな。時間なんて幾らでもあるんだ、姫様がチンポの良さに目覚めるまでいざお相手いたそう、ってかぁ?」
 本気、なのだろう。そう思うと涙がポロポロと零れた。
 まだまだ解放してくれるつもりはないのだ。もしかしたら、自分は一生彼らの慰み者としてしか生きていけないのかも知れない。彼らの子を孕み、産み、彼らに奉仕し続け……死んでいく。
「ひ、ひどい、ですぅ……わた、し……何も、わるいこと……ひぐっ! し、してぇ……ないのにぃ……う、ぐふぅ……ッ!」
 神夜は泣いた。
 泣きながら、再び自分の中で膨れ上がっていく野盗達の欲望をつぶさに感じ取っていた。
 まただ。
 また、出されてしまうのだ。
 溢れるくらい、あの熱いドロドロに溶けた液体を。
 注がれて、吐き気と同時に頭を痺れさせられてしまう。
「うおっ、も、もぉダメだ! またイクぞっ!」
「姫さんのマンコもケツマンコも爆乳もチンポ汁で溢れさせてやれ! ひはは! どうせすぐにチンポのことしか考えられねぇ乳牛になりやがるんだからよ!」
「はぐっ、ほ、ほごぉおおおっ!? は、はげしっ、動きはげしすぎっ、ましゅっひぶぅううううっ!? ぎょひっ、へげぇあぁああああああっ!!」
 勢いを増した男達によって思い思いに身体を揺すられ、神夜の意識が明滅を繰り返す。失っては戻り、戻っては失い、頭の中はグチャグチャだ。脳味噌まで精液で犯されてしまったかのようだった。
「オラッ、イクぞっ、チンポ汁射精してやんぞオラァッ!!」
「ほっ、ほっほぉおおおおっ!! 出るッ、チンポ汁射精るぞ射精るぞ射精るぞぉおおおおッ!!」
 前後の穴を塞いでいるモノも、乳房に埋もれたモノも、全ての肉棒が熱く震えている。同時に神夜も震えていた。胸の先がジンジンと熱い。秘裂も肛門も火傷してしまいそうだ。
 そして、ついに再びその瞬間が訪れる。
「はぎゃぁあああああああああっ!! ひぎゅっ、ほぉぬひぃいいいいいいぃぃぃいいいっ!!?」





◆    ◆    ◆
◆    ◆    ◆





 膣内を満たしていく精液。
 顔に、胸に浴びせかけられていく精液。
 そして……腸内に注がれた二本分の精液。
 さらに――
「おほっ! こ、こりゃスゲェッ! 姫さん、乳噴きやがったぜ!?」
「にゃっ、ぬひぃっ!?」
 乳を突いていた男の言葉に神夜は信じられないと言いたげに目を見開いていた。確かに、噴き出ている。自分のあのたわわに実った乳房の先端、イヤらしく勃起した乳首から、母乳が噴き出していた。
「やっ……、わ、私、孕ッ!? や、やぁああああっ! 妊娠、イヤァァァ……〜ッ」
 母乳を見たことで錯乱している神夜の言葉に男達は大声で笑い合った。
「そ、そんなわけねぇだろっ!? バカか姫様は? ひ、ひぃひぃっ、お、おもしろすぎんぜあんたぁ」
「……う、くひ?」
「オレらに犯されるまで処女だったのが、膣出しされてそんな一日も経たねぇうちに孕んだりするもんかよ」
「……あっ……そ、そ……かぁ……」
 などと安心したのも束の間。
「まぁ、どうせすぐに孕むことになるには違いねぇんだが、よっ!」
「びひぃいっ!!?」
 すぐさま再開される激しい突き込み。
 溺れてしまう。
 このままでは、息も出来ないくらい、深く。
「……ほ……は、……ぁ……」
 だらしなく涎を垂らし、涙と鼻汁、精液で顔中をグシャグシャにさせながら……神夜はぼんやりとまだ自分と交わっていない男達のそそり勃つ肉棒を見上げた。
 まだ、こんなに――
「ひ、ひゅぅ……あ、ぅ……はっ……ほぁ」
 意識が、堕ちる。
 神夜の気高き精神は、今や完全に諦めと闇に蝕まれようとしていた。



 ■■■



 茹だるような暑さだった。
 まだ冷える真夜中と違い、昼間は相当な暑さだ。
 身体中に汗を滲ませながら、神夜は気温の暑さにも負けない熱い白濁を貪り飲んでいた。
「おふっ、お、あはぁああああああん♥」
「お、おぉおお……また、また射精すぜぇ」
「い、いいですよぉ? もっと、もっと神夜のオマンコにおチンポ汁注いじゃってくださひぃいい♥ やはぁあああんっ、き、キモチイイですぅ……っ、おチンポ……ちん、ぽぉ……♥」
 虚ろな目で肉棒を取っ替え引っ替えにしゃぶる神夜は、もはや完全に肉欲の虜と化していた。これも朝も昼も夜もなく野盗達に犯され続けた結果だ。
「へへっ、もう何発出したかわかんねぇや……」
「そらそうだ。十人で代わる代わる、寝て起きては突っ込んで寝て起きては突っ込んで……休んでねぇのは姫様本人だけときやがる」
「あひぃいいいいいんっ♥」
 事実、神夜は犯されている間一睡もしていない。意識が飛びかけたことは何度もあったが、完全に途絶えさせることはなく野盗達の欲望を受け止め続けていた。
「ひゃはっ、チンポッ、くっさいチンポおいしいれふぅ♥ わらひを犯してくださるステキチンポ……グロチンポォ……ッ♥ たくさん、まだまだ欲しいのぉ……ひぁああんっ!」
「悪を断つ剣だとか言ってたのが嘘みてぇだなぁ」
「そう言えば姫さんのあのゴッツい刀どうしたんだ?」
「ああ……確か食料調達のついでに街に売りに行ったんじゃねぇか?」
 野盗の事も無げな言葉に、しかし神夜は全く反応を示さなかった。護式・斬冠刀の事などどうでもいいとばかりに、ただただ肉に身を任せて腰を振るう。
「ひひっ、ホント、最高だぜ姫様よぉ。あんたのマンコ……うっ! こ、これだけヤッてもまだ締め付けてきやがる……ど、どうなってんだぁ?」
「あはっ♥ 私のぉオマンコはぁ、おチンポからドロッドロのくっさいチンポ汁搾り取るためにあるんですぅ♥ 悪〜いおチンポさんから、いっぱいいっぱい搾り取っちゃうんですぅっ! いひゃぉおおおっ!? お、おふ、のほぉおおおひぃぃぃいいいっ♥ さ、最高ッ、悪チンポサイコォオッですぅううう!!」
 子宮の奧まで精液で満たされ、神夜が満足げに喘ぎ狂う。余った精液が汚らしい音をたてて排出されてくるのさえ今の神夜にとってはまったく心地よいものだった。
「ほんと……イケナイおチンポさんばかり、です……あ、ひっ、うふぉおお♥ みーんな、みーんな、私がやっつけてさしあげますからぁ、覚悟なさってください、ねぇ? ほ、おぉ、らぁああっ!」
「うぉおおおおっ!?」
「でっ、射精るぅううっ!!?」
「ひゃほぉおおおおおおおっ♥ チンポいっぱいチンポ汁いっぱぁああい! 私幸せです幸せすぎますぅ♥ チンポ汁オマンコも子宮もいっぱいでいっぱい幸せですぅっ!!」
 射精し終えた男二人がへたり込み、丁度目が覚めたらしい別の男達が寄ってくる。三時間ほど寝たことで元気を取り戻したようだ。彼らの精力は尽きることを知らないかのように神夜に注がれ、蕩けさせていく。
「あ……っ、また、チンポォ♥ 悪チンポで私を犯してくださるのですねぇ? たくさんのチンポで……私のエロ肉穴を突きまくってぇ……また、ケツマンコに二本ブッ挿してくださぁい♥」
「へへ、言われるまでもねぇや」
「そら、好きなだけチンポくれてやらぁあ!」
 前戯なんて誰も考えない。
 精液と愛液、腸液にまみれた前後の穴は何もせずともすんなりと剛直を呑み込んでいく。それでいて締まりの良さは保たれたまま、まったく奇跡のような肉穴だった。
「おらどうだ!? エロマンコ気持ちいいか? 気持ちいいのかぁ!?」
「いいですっ、いいんですぅ!! エロマンコ気持ちいひっ、すっごくキモチイイですチンポで剔られてゴリゴリってゴリゴリって悪チンポが私を突き殺しまふぅううううううっ♥」
「じゃあケツはどうだ!? ケツだケツ、お望み通り二本もチンポくわえ込んでるケツマンコはどうなんだぁ!?」
「ケツマンコも最高れしゅう! 二本で拡がっちゃまた拡がっちゃうぅう♥ ミチミチって拡がってる拡がってりゅ〜〜〜ッッ!! おほぉおおおおおおおお♥ のひっ、ひぐぅぶぅうううううううッ♥」





◆    ◆    ◆
◆    ◆    ◆





 突き上げられるたびに絶頂を迎え、神夜は歓喜の声をあげ続けた。
 母乳を噴き出し、精液を啜り、肉棒を頬張って満足げに笑みを浮かべる。
「チンポッ、チンポォ♥ しあわせ……私……旅してて……よかったですぅ……あなた方に逢えて……幸せぇ……チンポいっぱいで……よ、よかったですぅ♥」
 悪を断つ剣と呼ばれた少女は、もはやどの世界を探しても居ない。今や肉欲に狂った乳牛姫が一人居るのみ。
「悪チンポで支配してくれて……ありがとう、ございますぅ……あふっ、ふほぉお……愛して、ますぅ……チンポ、だぁい、しゅきぃ……〜♥」
 閉じられた世界の中で、神夜は今、全身で幸せを噛み締めていた。





―了―   






絵:寒天示現流




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