大回転フェイト
〜Turn フェイトさん〜
恋愛事情のその後 「……とまぁ、そんなわけなんだ」 「ふーん、そっかぁ。はやてちゃんが結婚かぁ……」 「なのは、オメーはなんかねぇのかよ? 親友だろ……はやてとは」 「私は別に……はやてちゃんが幸せになれるなら、それで良いと思うよ」 「そっか……」 「うん」 「まぁ、お前の場合は相手が動物だしな……含蓄あるよ」 「にゃはは。ヴィータちゃん、ぶっ飛ばすよ?」
その頃のフェイトとはやて 「……お父さん、ってどんな感じなのかな。私、覚えてないから」 「あはは。まぁ、確かにわたしとゲンヤさんは親子程も歳離れとるけど」 「でも、小さい子は可愛いよね……」 「……は?」 「男の子は半ズボンだよね……」 「……あんな、フェイトちゃん」 「なに? はやて」 「……あんま度を超すと、セクハラやよ?」 「……ごめんなさい部隊長」
その後のフェイト 「……シグナム」 「なんだ、テスタロッサ?」 「年下は、可愛いですよね?」 「私達からしてみればどんな相手も大概は年下なんだが」 「シグナムはわかってない!」 「ど、どうした急に!?」
その後のその後のフェイト 「なのは。小さい子ってかわいいよね」 「うん。そうだね。やっぱり小さい子って、無邪気でかわいいよね」 「……なのはも、微妙に違う」
さらにその後のフェイト 「……はぁ」 「どうした、フェイト?」 「義兄さん。私、みんなとやっぱり違うのかな?」 「いや、そんな事は……」 「じゃあ義兄さん」 「なんだ?」 「小さい子、好き?」 「……」 クロノはその後、エイミィに「いいか? フェイトにはうちの子を近づけるなよ」と言い含めたそうな。 どっとはらい。
永遠のフェイト 「君は、こんなところにいちゃいけない……っ!」 「ああっ! またフェイトちゃんが敵のコを保護しちゃった!?」 「ちなみに貴様は保護対象外だ」 「なんで――!?」(15歳以上) 「私、生い立ちの事もあるし、自分みたいな身の上のコ達を放っておけないんだ……」 「その結果がこの機動六課ライトニング分隊、別名フェイトハーレムなの。ちなみに男の子ばかりだと不自然だから女の子も少しいるの」 フェイト・T・ハラオウンは、今日も元気です。
StS七話後 「スバルさん知ってましたか? ザフィーラって話せるんですよ」 「え〜? エリオ、何言ってるの?」 「いや、ホントなんですよ! ね、ザフィーラ」 「……」 「ほらほら、ザフィーラ困ってるって。ねぇ? ……あ〜、相変わらず抱き心地気持ちいい〜」 「ちょ、スバルさんホントなんですってば! ザフィーラ、何でもいいから話してよ、ザフィーラ!」 「……」 「ほ〜ら、モフモフ〜。あはは、くすぐったいってばザフィーラ! そんなとこペロペロしちゃダメだってばあはははは」 「ちくしょーーーーーーっ!」
一方その頃のフェイト劇場 「さっき、エリオ達がザフィーラと遊んでたんだ」 「そっかー。ザフィーラ、あれでなかなか人気あるんやなぁ」 「みんな無邪気にじゃれあってたよ。エリオなんて興奮して何か叫んでたけど」 「そかそか。ええことや」 「時代は犬なのかな。私も犬耳でもつけてみようかな」 「……」 「こう、まるでアルフがじゃれつくかのように、ペロンと」 「……最近、セクハラに対する取り締まりがいっそう厳しくなってなぁ」 「……ごめんなさい部隊長」
しつこくフェイトさん劇場 「はやてとナカジマ三佐の歳って、二十くらい違うんだよね」 「うん、そうだね」 「じゃあ、私とエリオの歳の差くらい、どうって事ないよね」 「にゃはは。フェイトちゃん、いい加減自重しなよ?」
フェイトさん激情 「ねぇ、なのは」 「どうしたのフェイトちゃん?」 「……散々悩んだんだけど、“フェリオ”で良いと思うんだ」 「一応訊くけど、何が?」 「私とエリオの子供の名前」 「……」 「ほ、ほら! 一応車関係だし……」 「……」 「ああ、でも女の子ならもっと別の……」 「……」 「……あの、なのは?」 「……」 「……黙ってレイジングハートを構えるのは、やめて欲しいかなー……なんて……その……」
ヴィータさん恋愛無情 「はやてー、頼む、あたしを大きくしてくれ! 実は彼氏が出来たんだ!」 「ダメや」 「なんで即答なんだよ!?」 「ええかヴィータ。その彼氏は今のお前に惚れた……十中八九ロリコンのペド野郎や。なのにお前が成長したら、絶対に破局する!」 ヴィータは泣いた。 泣きながら走っていった。 その後、ヴィータと彼氏がどうなったのかは誰も知らない……
ヴィータさん成長不能 「なぁ、ヴィータ」 「なんだーシグナムー?」 「お前、少し背が高くなったんじゃないか?」 「ば、何言ってんだよ、んなワケねーだろ。あたしが成長なんてしてたらお前やシャマルのオッパイなんて今頃垂れてるだろー。あはは」 「はは、そうか。そうだな。……斬るぞ」 (フフ……気付いとらんな二人とも……わたしが昨夜密かにヴィータにシークレットヴィータをかぶせとったことに!) 翌日、ヴィータの身長は元に戻っていた。 ヴィータは泣いた。 泣きながら走っていった。 その後、シークレットヴィータがどうなったかははやてしか知らない。
フェイトさん危機一髪 「ああっ、いつの間にか強敵に囲まれて僕もフェイトさんも絶体絶命のピンチだ!」 「危ない、エリオッ! ああーーーッ」 「フェイトさんが僕を庇って大ダメージを!? フェイトさん!」 「……う、うう、エリオ。大丈夫?」 「僕は大丈夫です、でもフェイトさんが!」 「ふふ……泣かないで、エリオ。さぁ、行って。ここは私が食い止める。だから……」 「そんな、そんなこと出来ませんフェイトさん!」 「ダメよ、あなたは生きて、エリオ……」 「フェイト、さん……ぐすっ」 「そして無事生き延びることが出来たなら、私の墓碑にはこう刻んで欲しいの」 「……うぅ」 「天空を駆ける愛と美の聖戦士こと金の閃光フェイト・T・ハラオウン――愛する少年とこの世界全ての人々の夢と希望、そして未来と短パン半ズボンを守るために儚く散った偉大な女性――ここに眠る……と」 「フェイトさーーーーん!!」 「ああ、そんなに泣かないでエリオ。生き延びた貴方が、たまに私のことを思いだして泣いてくれればそれで充分。あと私への愛を引きずるあまり一生独身を貫いてくれたらかなり満足だから……」 「そうじゃなくて、敵はつい今さっき駆けつけてきたなのはさんのスターライトブレイカーであっさり全滅しましたよフェイトさん!」 「……え? ……ガクリ」 「フェイトさぁあああああああああん!!?」 フェイトさん危機一髪 完
休日のフェイトさん 「うぅ……聞いてよなのは」 『突然電話してきたと思ったらどうしたのフェイトちゃん?』 「うん。今日は絶好の洗濯日和だし、洗濯物出してってエリオに言ったら……」 『……嫌な予感しかしないけど、うん』 「パンツを出してくれないんだよ! 恥ずかしいから自分で洗いますとか言って!」 『……まぁ、エリオ君もそーいうお年頃だし』 「……そ、それとも、アレなのかな?」 『アレ?』 「うん。その……男の子は、夢とか見てその……全自動でMSが起動してメガ粒子砲撃っちゃうらしいし……それで、撃墜しちゃったのかなぁって」 『……』 「ああっ! エリオが見た夢が私の夢だったらどうしよう! ねぇどうしようなのは!? 私どうすればいいかな!?」 『……』 「あ〜、困っちゃうよ……もう、エリオったら困ったクンなんだから。あー……もう、本当にどうしよう」 『取り敢えず、フェイトちゃんが夢から覚めるのが第一だと思うよ?』 「……なのは、最近冷たいよね」
ある日のフェイトさんin飲み屋 「ねぇなのは」 「どうしたのフェイトちゃん?」 「……私、ヤバイかも知れない」 「にゃはは。……知ってるよそのくらい」 「エリオの太股を見てると、こう、ムズムズするんだ……」 「この前プレゼントした半ズボンの丈は犯罪だよね」 「カットラインが最高だったと思うんだけど」 「アレ最高とか無いから。無い無い」 「……はぁ。照れながら履いてくれたエリオ、可愛かったな」 「もしもし……あ、はやてちゃん? うん。フェイトちゃん長期出張希望だって。うん。長くなりそなとこに」 「エリオ〜……エ〜リオ〜……」 「出来ればエリオ君が声変わりするくらいまで……うん」 「エリオ〜の〜太股〜白い〜太股〜♪ えったーなるぶりーふ♪」 「……いや、そのね……うん。……助けて」
ある夜のフェイトさん 「エ〜リオ」 「わっ、どうしたんですかフェイトさん? こんな夜遅くに」 「うん。最近仕事が忙しくて、エリオやキャロとあんまりお話し出来なかったから。……たまには、ね?」 「それは嬉しいですけど……もうすぐ消灯ですよ?」 「大丈夫。ほら、枕持参してきたから」 「ちょっ、枕ってダメですよフェイトさん!?」 「……ダメ、かな?」 「だ、だって、僕だってもう、その……」 「ついこの前までは一緒に寝てたじゃない。だから、ね?」 「うっ……! ……で、でも……その――」 バタンッ! 「消灯五分前消灯五分前! 点呼だ点呼ー!」 「シ、シグナム!? どうしてここに――」 「どうしても何も無い。六課隊員寮の治安を守るのも剣の騎士の務めだ。スキャンダルで六課を潰すわけにはいかん。と言うわけで撤収だテスタロッサ」 「え、ちょっ、放してくださいシグナム!? そ、そんなっ無体な――」 「さぁ消灯だ。エリオ、よゐこは寝る時間だぞ。お姉さんとの約束だ」 「せっかく下着だって新調したのにーーー」 ……パタン。 「……あ、フェイトさん枕忘れてる。……フェイトさん」 その夜、エリオがフェイトの枕を抱っこして安らかに眠った事など一晩中正座させられシグナムから延々と説教され続けていたフェイトが知るよしもなかった。 めでたしめでたし。
雨の日のフェイトさん 「……雨ですね、シグナム」 「ああ、雨だな」 「……」 「……」 「……どうして」 「うん?」 「どうして、私達相合傘してるんでしょう」 「それは貴様がわざわざ子供用の小さい傘を使ってエリオと強引に相合傘しようなんて不埒な事を考えてたからだ」 「いいじゃないですかそのくらい!? 濡れて火照った身体を密着させて嬉し恥ずかし雨の日デートに洒落込むくらいいいじゃないですか!」 「ええいうるさい! 私とて前日にお前が下調べしていたデートの目的地によっては放っておくつもりだったのだ!!」 「……だって、雨の日セールで休憩三時間二八〇〇円って安いし……」 「いや、どっちにしろエリオは一八歳未満だから入れんからな」 「……あ」
フェイトさん心理的危機一髪 「シグナム、私大変な事に気がついてしまいました」 「どうした藪から棒に?」 「このままだと、彼氏がいないまま二十歳になってしまいます……ッ!」 「……」 「……」 「安心しろ、私はかれこれ数千年彼氏なぞいない」 「……」 「……」 「どう安心しろと言うんですか! エリオ! エリオに会わせて!」 「えぇーい、静まれ! 三日間エリオ禁止処分の最中だろうが!」 「だってこのままだとエリオが! エリオが何処の馬の骨とも知れぬ女にっ! エリオーーーーーッ!!」 「ちなみに私は彼氏いない歴三ヶ月くらいかしら」 「ちょっwwwっシャマッwwwwwwwwwwwww」 「シャマルッwwwッキサマッwwwwwwwwwwwwwww」
宿命の少女、旅立ち編 「アルフ、ザフィーラ」 「どうしたんだいキャロ、改まってさ」 「……うむ。何やら差し迫った事情がありそうだが」 「あ、あの……二人? にお願いがあるの」 「……お前、今こっちを見て『?』をつけなかったか?」 「き、気のせいだよ気のせい!」 「まぁいいじゃないさね。で、お願いってなんだい?」 「あ、あのね」 「うん」 「うむ」 「……最近、フェイトさんが獣のような目でエリオ君を見てるの」 「……」 「……」 「だ、だから! このままじゃエリオ君のためにも、フェイトさんのためにも、良くないんじゃないかなって思って。あ、あああのね、べ、別に他意があるワケじゃないんだよ!? ホントに。……ホ、ホントに」 「……」 「……」 「え、えと……それでね。ふ、二人に相談が……」 「スバルさん。最近キャロを見かけないんですけど……」 「んー。なんか修行に出るとか言ってたよ?」 「修行!?」 「うん。エリオ君のためにわたし強くなってきますとかなんとか」 「僕のため!?」 「あっはは。ニクイねーこのー」 「召喚師の修行でしょうか?」 「じゃないかなぁ?」 「……嫌な予感がするのって、あたしだけなのかしら」 「どったのティア?」 「……何でもない」
フェイトさん何かを感じる編 「……ねぇ、なのは」 「どうしたのフェイトちゃん」 「……何やら猛烈に嫌な予感がするんだ」 「私は最近こうしてフェイトちゃんと二人きりでいるとそれだけで嫌な予感しかしないよ」 「……私とエリオの恋路を邪魔する恐るべき敵が只今絶賛成長中みたいな」 「あのね、前から言ってるけど、それ恋路じゃないからね?」 「ああっ! 怖ろしい、怖ろしいよ! 凄まじい獣性を秘めた悪魔のような強敵の出現に私のトキ☆メキ色のドキパラライフが!」 「……痛いよ。心がイタいよフェイトちゃん」 「英語で言うとフューチャー! ミー&エリオのフューチャーイズベリーピンチ!」 「……そんなだから執務官試験も運転免許試験も二回も落ちるんだよ」 「免許は三回だよ!」 「……もうね、絶対助手席乗らないから」 「そんな事言わずにドライブ行こうよ、なのは」 「バインドされた!? 助けてユーノ君!」
魔戒召喚師覚醒編 「そんなわけでー」 「キャロを修行から連れ帰ってきた」 「あ、おかえりアルフ、ザフィーラ。それに……え、と」 「……」 「……キャ、キャロ?」 「……違う」 「え?」 「我はキャロに非ず」 「わ、我!?」 「我が名は、華狼――KYARO――」 「華狼!?」 「……いや、読み方はキャロじゃん」 「……うむ」 《なぁに。雰囲気の問題だぜ》 「フリードが喋った!?」 《おいおい、驚かないでくれよエリオ》 「しかも影山ヒロノブっぽい声で!!?」 「こいつは魔導竜フリード。我が相棒だ」 《よろしくな》 「いや知ってるよフリードの事は! と言うより、キャロはその……な、なんで華狼になったの?」 「……悪を斬るためだ」 「……悪?」 「そう……悪だ」 「……ックション!」 「フェイトちゃん、風邪?」 「……うぅ。なんか寒気がするよなのは」 「帰って寝た方がいいよ?」 「……わかった。エリオ抱っこして寝る」 「にゃはは。……おい、待て邪悪保護者」
華狼〜SUMMONER IN THE DARK〜 行け 疾風の如く 宿命の少女よ 闇にまぎれて 何故戦うのか それは竜に聞け 正義とか秩序など 我は追いかけない 桃に生まれ 桃に染まり 金を斬り裂く つい最近 自分で思いついた 使命だから 行け 疾風の如く 宿命の少女よ 月満つる夜に 桃色になれ か弱き姿の 健気な少女よ 片想い込めた 嫉妬の刃叩きつけて 時代に輝け 華狼
フェイトさん災難劇場 「へー、ヴィヴィオちゃん言うんか。可愛えぇねー」 「……うぅ」 「ほらほら、はやて。怖がっちゃってるよ」 「あはは。なのはちゃんの後ろに隠れちゃって、可愛いわー。こうして見とるとなんやほんまの親子みたいやね」 「にゃはは。そ、そうかなぁ?」 「うんうん。あー、でも」 「?」 「ヴィヴィオちゃんの目。赤と緑の綺麗なオッドアイで、こっちはフェイトちゃん似やね。……あと、ユーノくん」 ビキッ 「……な、なのは?」 「もしかすると二人の隠し子やったりー。なーんてなーあっははははは」 「……いや、あの、なのは……さん?」 「……フェイトちゃん」 「……はい?」 「……屋上。スターライトブレイカー」 「ちょっ、流言に惑わされないでなのは! そんなの無いから! 私はエリオ一筋って言うか十年前ならいざ知らず今のユーノは少年って歳じゃないし!」 「でもなーヴィヴィオちゃんの年齢から逆算するとやなぁ……」 「はやて黙ってシャラップはやて!」 「……久しぶりに、キレちまったの」 「いやぁぁぁぁぁぁぁ助けてエェリオォォォォォ……」 ――ここ数日、フェイトさんの姿を見かけません。 また任務なのかな。 危険な任務とかじゃないといいんだけれど。 フェイトさん、無事でいてくださいね―― ある日のエリオの日記より、抜粋
幼身合体リィンヴィータ 第一話「恐怖、潜水怪人セイン女」 「ちっくしょー! 潜ったり潜ったり潜ったり、なんて鬱陶しい奴だ!」 「ヴィータちゃん、こうなったらユニゾンするですよ!」 「おっしゃー! 幼身ッ!」 「合体ですーっ!」 「完成! リィンヴィータ、見っ参!!」 「……コレだっ!」 「いや、落ち着けテスタロッサ」
幼身合体リィンヴィータ 第二話「恐怖、薔薇水怪人チンク女」 「ちっくしょー! BOMB・BOMB・BOMB・BOMB鬱陶しい奴め!」 「ヴィータちゃん、こうなったらユニゾンするですよ!」 「おっしゃー! 幼身ッ!」 「合体ですーっ!」 「完成! リィンヴィータ、見っ参!!」 「行くぞっ! 薔薇族怪人チンコ女め!」 「薔薇族でもチンコでもないっ!!?」 「薔薇族が! 薔薇族の魔の手がエリオにっ!」 「だから落ち着け、テスタロッサ」
幼身合体リィンヴィータ 第三話「ケツデカ宇宙人トーレ星人登場」 「なんで私だけ紹介がウルトラマン風でしかも宇宙人なんだ!?」 「……いや、ツッコミから入らずにまずユニゾンさせてくれよ」 「……です〜」
幼身合体リィンヴィータ 第四話「恐怖、噛ませ犬怪人ノーヴェ女」 「……」 「……あ、あのさ」 「……元気出すですよ」 「……どうせ……どうせ、噛ませ犬だし……」 「あ、あたし達だって似たようなモンだ!」 「そ、そうですよ! やられてばっかりです!」 「……」 「……」 「……」 「……元気出せよ。な? ほら、飴やるよ。ヴィータキャンディーだ」 「ヴィータちゃんのキャンディーはとっても甘いのですよ」 「……うん。……ありがと」
八神家食事事情 「じゃじゃーん。今日の夕飯はヴィータがいつもいつも鍋は嫌や言うのでちょっと変わったものを作ってみましたー」 「おおっ、なんとっ!」 「はやてちゃんが鍋以外のものを作るなんて……」 「リィンぶっちゃけ生まれてから初めての経験ですー」 「ワンワンッ」 「……う、うぅ。長かった。これもずっとはやてにそれとなく苦情を言い続けてきたあたしの苦労の賜物だぜ」 「ほなら、今日の夕飯を大公開やー。じゃじゃーん!」 「……」 「……あの、主はやて?」 「なんや?」 「……はやてちゃん、これ、鍋じゃ……」 「あー、ちゃうちゃう。ちゃうよー。コレはアレや。和風ブイヤベース♪」 「……」 「……」 「……」 「鍋じゃねーかぁっ!!」 「うぉっ、ヴィータ!?」 「ヴィータちゃん落ち着いて!」 「わーん、アイゼンを振り回さないで欲しいですぅ〜」 「……しかし、結局俺は犬飯か」 「ん? ザフィーラ何か言うた?」 「……何でもありません」
ご飯ですよ、フェイトさん 「はぁ〜今日のお仕事も終了や〜」 「はやてちゃん、フェイトちゃん、お疲れさま」 「……」 「すっかり遅くなってもうたなー。うちには夕飯は食べて帰るーて伝えてあるし、何か食べて帰ろかー」 「うん。私も今日はスバル達にヴィヴィオの事は頼んできたから」 「……」 「あー、でも何食べよかなぁ。水炊きか土手鍋かちゃんこか……」 「にゃはは。はやてちゃんそれ全部鍋……ってか今夏……」 「……」 「よーし、ここ数日はずっとこんな感じで残業続きやったし今夜は部隊長様が奢ったるよー。何でも好きなもの食べてええでー」 「わー、やったね。うーん、悩むなぁ。ねぇ、フェイトちゃんは何食べたい?」 「……」 「何でも遠慮せんでええよー。スッポン鍋でもふぐちりでも鱧鍋でも」 「いや、だからそれも鍋……って、あれ? フェイトちゃん?」 「……ォ」 「は? どないしたん? 何鍋がええの?」 「……エリオ」 「……は?」 「……あ?」 「エリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたいエリオが食べたい……」 「あかん目がマジやっ!?」 「ここ数日残業続きでエリオ君分が不足気味だったから……」 「エリオー! エェ〜リオォ〜〜〜〜〜〜!」 「……どないする? 大人しくすぐ帰る?」 「……でも今帰すのはとても危険な気がする。本気でエリオ君を食べかねないよ」 《Knock out by buster. (取り敢えず砲撃で昏倒させます)》 「しゃーないわな」 「うん。フェイトちゃん……頭、冷やそっか」 「フェイトさん遅いね、華狼」 「……うむ」 「晩ご飯どうしようか。華狼は何か食べたいものはある?」 「……ハンバーグ」 「じゃあ僕達で作って待ってようか。……遅いな、フェイトさん。仕事、大変なのかな」 「……(ニヤリ)」 《おっ、エリオ。窓の外見ろよ。流れ星だぜ》 「あ、本当だ。……フェイトさんのお仕事が早く終わりますように」 「……闇に、光を」
数の子小劇場 「と言うわけで、今日は完成したばかりでまだ世の中のこととかよくわかってないオットーとディードを、セインお姉ちゃんがここ、無限書庫に連れてきましたー」 「……おおー」 「……凄い本ですね」 「うむうむ。ここで勉強して早く立派なナンバーズになるのだ、妹達よ。……ってディード!? 無重力なんだから気をつけないと危な――」 「え? ……キャッ! ……? ??」 「おっと。大丈夫かい? ちゃんと前を見て進まないと、危ないよ?」 「あ、ありがとうございます。……その、貴方は?」 「ああ、僕はこの無限書庫の司書長で――……」 「――ッ!」 「あれ? どうしたんですかなのはさん、突然怖い顔して?」 「……急に子持ち昆布を握り潰したくなったの」 「は?」 「……プチプチと。こう、全力で」 「晩ご飯の話ですか? 美味しいですよねぇ子持ち昆布。あたしもギン姉も数の子って大好きなんですよ」 「……私は今日この瞬間をもって大嫌いになったの」 「なぜに???」
なのはさん激情 「……あの、なのは?」 「……」 「……コレ――」 「お弁当」 「……」 「お弁当だよ、ユーノ君」 「いや、お弁当たってコレ、数の子しか入ってないんじゃ――」 「数の子は鰊の卵なんだよ、ユーノ君。決してね、スカリエッティだとかオレンジだとかの卵じゃないの。知ってた? ……知ってるよね。なんたって無限書庫の司書長さんだもんね」 「……もしかして、怒ってる?」 「別に。最近書庫の方に事もあろうかナンバーズの子が足繁く通ってて、さらにユーノ君がしょっちゅうその子の相手をしているだなんて情報を入手しても私は怒ってなんかいないよ?」 「ご、誤解だよ!? ディードは完成したばかりでまだ世の中のこととかよくわからないって言うから色々教えてあげてるだけで――」 「……ふーん。ディードって言うんだね、あの数の子」 「ちょ!? 落ち着いてよなのは! 誤解なんだってば!」 「数の子、まだいっぱいあるよ。たくさん食べてね、ユーノ君。もう数の子なんて見るのも嫌だってくらい」 「アーーーーーーーーーッ!?」
なのはさんプロポーズ事情 「にしてもアレやなぁ。なのはちゃんも、急に娘と夫と使い魔まで出来て忙しなぁ」 「にゃはは。……いや、アルフさんは一応フェイトちゃんの使い魔のままなんだけどね」 「まぁええやないの。みんなもうアルフさんはユーノ君の使い魔やと思うとるし。わたしもたまに本気でフェイトちゃんの使い魔やって事忘れるし」 「うん、まぁ……。……はぁ」 「あん? どないしたん溜息なんて吐いて」 「……実はね。そのね。……まだ、されてないの」 「されてないて……ナニを? ナニが?」 「言葉の端々が卑猥だけど、そうじゃなくて。……プロポーズ」 「……ごめん。もっかい言って」 「……だから、プロポーズ」 「……マジ?」 「……リリカルマジカル」 「なにやっとンのやあの淫獣はーーーーーっ!?」 「わぁ!? 落ち着いてはやてちゃん!」 「なんやー! ゲンヤさんとの結婚話がついぞ進まないわたしへの当てつけか!? 嫌味か!? こちとらゲンヤさんが一気に数の子引き取ったせいで一緒に暮らすどころかデートもままならへんのに! パパだのママだの娘だのやりながらまだプロポーズしてへんてどういう事やーっ! ムキーッ!!」 「……でも、実際ナニもされてないんだけどね」 「……え? マジ?」 「……リリカルマジカルメカリルウィッシュ……」
フェイトさんプロポーズ事情 「と言うわけで、なのははまだプロポーズされてないそうです」 「うむ。そうらしいな。まったくスクライアめ、とんだヘタレだな」 「でも、これはチャンスです」 「……すまんテスタロッサ。何がどうチャンスなのか話の繋がりが見えん」 「わからないんですか?」 「わからん。だが説明は不よ――」 「だ・か・ら! はやてにもなのはにも先を越されて不安に思ってたんですけど、この隙に私がエリオからプロポーズされちゃえば行き遅れってバカにされることもないじゃないですか!」 「――うむ。色々とツッコミどころは多いというかツッコミどころしか無いな」 「エリオにツッコまれるなら本望ですがレヴァンティンは勘弁願います。ああっ、だから構えないでっ! アーーーーーッ!!」
星に願いを 〜その1〜 「ママー!」 「どうしたのヴィヴィオ?」 「ヴィヴィオね、おとーとかいもーとがほしいの!」 「……ヴィータちゃんじゃダメ?」 「あたしは大人だ!」
星に願いを 〜その2〜 「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダーーーーッ!! いもーとかおとーとがほしいのー!」 「うーん。困ったなぁ」 「クラスのお友達が言ってたもん! ママとパパにおねがいすればキャベツばたけにあかちゃんが生えるって言ってたもん!」 「生えるってまたけったいな表現だけど……あのね、ヴィヴィオ。パパもママもね、今はお互いに忙しくて――」 「そんなのおとなのうすぎたないいいわけだもん! へどがでるもん!」 「……ってかね、まだね、プロポーズどころか告白すらされてないのにいつの間にか夫婦同然になってて正直どうしたものかと悩んでるの。……マジ、どうしてくれようなの」 「……ママ、怖い」
星に願いを 〜完結編〜 「……あの、なのは」 「なに?」 「どうして僕はいきなりバインドされてるのかな?」 「可愛い娘のお願いをかなえるためなの」 「娘のお願いって……ヴィヴィオが何を――」 「フフフ。ヴィヴィオは今ヴィータちゃんが預かってくれてるの。二人合わせてヴィヴィヴィなの。まぁそんなの気にせずドライブイグニッションなの」 「ちょっ!? なのは落ち着いて! そんな肉食獣みたいな目で――アァーーーーーーッ!?」 「あれぇ?」 「んー、どうかしたかヴィヴィオ?」 「うん。パパが買ってくれたお花が……」 「ありゃ、花の部分がポットリ落ちてんな。ったく、不吉だなぁ」 「変だねー」
星に願いを 〜外伝〜 「あのね、ヴィヴィオ」 「なぁにフェイトママー?」 「私もヴィヴィオのママだから、ヴィヴィオに弟か妹を作ってあげられるんだよ?」 「ホント!? やったー!」 「うん。でもね、ママ一人だと大変だから、エリオお兄ちゃんにも手伝って欲しいってお願いしてきて――」 「……おい、テスタロッサ」 「すまんな、ヴィヴィオ。フェイトママはこれからお仕事だ」 「う、うん」 「嫌ぁあああああ! 仕事じゃないおつとめは嫌ぁあああああああ!!」
番外編 StS最終回直後の我らがフェイトさん 「……キタキタキタキタキタ」 「フェイトちゃん?」 「フラグ立ってキトゥア━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!!!!!!」 「ちょ、どうしたのフェイトちゃん!? 脳味噌大丈夫? あの世でドゥーエさんにメンテしてもらう?」 「大丈夫だよなのは! それよりお姫様抱っこだよなのは! 誰がお姫様って私! ミー! プリンセス! そしてプリンスは当然エリオ!」 「……フェイトちゃん」 「もう公式だよ公式! エリオと私のかけ算! ×! カップリング! 今すぐにでもユニゾン・イーン! フェイド・イーン! むしろフェイト・イーン! ラァイディィィーーーン!! ……って、あれ? なのは?」 「?」 「ど、どうしたの? いつもならこの辺でスターライトブレイカー全力全開が飛んでくるのに……」 「ああ、もういいよフェイトちゃん。もうやめたんだ」 「うぇ!? Σ(゚Д゚)」 「私もね、もうお母さんだし。うん。これからは、娘と夫とその使い魔と、幸せな家庭を築いていこうと思うんだ……」 「……あの、なのはさん?」 「なのは・高町・スクライアか〜。ああ、でも高町ユーノでもいいよね。私とユーノ君とヴィヴィオとアルフさんで仲良し家族だよあっはははははははははははは(・∀・)*⌒ これでガチレズだなんて不本意な噂とも永久にさよならだよ!」 「あ、あの……アルフはユーノの使い魔じゃなくて私の……」 「……そして私は最後までただの無能なちびっ子指揮官や」 「……はやてちゃん、元気出すですよ」 「……フラグ、立てたかったなぁ……(´・ω・`)」 |
〜to be Continued〜 |