COMIC1☆3 4月26日(日) か-48ab 黒色彗星帝国・寒天示現流頒布物一覧 メロンブックスにて通販予約受付中(直接専用ページへ)
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当日会場にて、合同誌『Terror EX』『Trinity Episode』の
どちらか一冊でもご購入になられた方には先着で欧州戦線ヒロイン・イルフリーデのラミカをプレゼント。
※両方購入された場合でもラミカは一枚です。
同じものを二冊以上購入の場合はその分の枚数OKですので頼まれ物など複数購入の方は仰ってください。
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一瞬、完全に思考が停止していた。 アクシデントであることは、見ただけでわかった。 そもそもそう至るまでの経緯を全て知っているのだから、所謂勘違いが生じる余地など無い。 理解している。理性で、理知的に。 思考力が回復する。 自分は冷静で、平静なのだと言い聞かせる。呼吸脈拍ともに異常はなく、全て安定している。大丈夫だ。 そう、大丈夫。 大丈夫に、決まっている……のに。 「……あっ」 唯依は、自分が今少しでも気を抜けば泣き出してしまいかねない状態にあることを、悲しいまでの聡明さと自己認識力によって悟ってしまっていた。 ユウヤが悪いわけでも、クリスカが悪いわけでもない。たまたま偶然と偶然が重なり合って二人は抱き合うかのような形になっただけだ。 なのにどうして、こんなにも痛むのか。 どんなに強がっていても、毅然とし、帝国斯衛の衛士たる規範に倣い日々己を律していたとしても、唯依のその部分はどうしようもなく少女だった。 (いや、違う。これは……違うんだから、大丈夫) 鬱屈とした感情を、それでも自制しようと唯依は努めた。 この程度のことで心乱すような無様を晒すわけにはいかないのだ。篁家の娘として、絶対に。 ……しかし、その絶対が脆くも崩れ去る。 「ブリッ……ジス、……ぁ」 熱を帯びた呟き。紅潮した頬に、潤んだ瞳。 唯依はユウヤに抱きとめられた状態のクリスカに、あまりに純粋で真っ白な彼女の恋心を、視た。 綺麗だった。 あまりにも綺麗すぎて、唯依はまったく唐突に今すぐこの場から立ち去らなければというわけのわからない感情に襲われた。 明確な理由など無い。ただ、自分がここにいてはいけない、邪魔者のように感じられてしまったのだ。 自身の不明にもっとも困惑していたのは唯依当人であり、けれど解決の糸口を掴む事など出来ぬままに駆け出してしまっていた。
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あくまでシミュレーションなのだと、常に自覚しておかなければ現実から剥離してしまいそうだ。そのくらい視界は明瞭かつリアルで、呑まれそうになる。 願望を抑え込むのには力が要るものだと、悠陽は丹田に気を込める要領で自らを引き締めた。呑み込まれた息も、吐き出されていく息も、心臓の鼓動すら、この狭いコクピットの中では鼓膜に響く。軍議の際の喧噪よりも余程にこれらの音の方がしっくりくるというのは、本質として為政者には向いていないからではないかと――悠陽は苦笑した。 向き不向きなどまったく今更だ。 弱気になっていると言うよりは、やはり懊悩が深いせいだろうとは自覚している。自分の為したいように事を進められる為政者はきっと独裁者か、または正義の味方か。果たして煌武院悠陽はそのどちらでもないのだから、ただ帝から任された軍武総括者にして国事全権総代たる政威大将軍としての責務を正しく全うできるよう尽くさなければならないのが道理だった。 お飾りで居られることと、責務を正しく果たし権力を行使できる立場にあること、どちらが幸福であるか問うのは愚かしいことだ。そもそも幸不幸で語れることではない。 疲弊しきっている日本を正しく導くための力となれるならば、それが例えどれほどの微力であったとしても、公私の全てを捧げる覚悟は、ある。 ……その、はずだった。 「――すぅ」 機械の手足が、進む。 まだ慣れないが、性能の高さは動作の端々から感じ取ることが出来た。この調子ならば、実機も間違いなく素晴らしい機体に仕上がるに違いない。 戦術機は乗り手の手足のまさしく延長だ。特に日本機はそれが顕著であると――顕著となるよう、作られている。 精神性の反映はその国のあらゆる技術に見て取れるものであり、国柄が透けて見えない技術というのはどうにも、少なくとも延長として自身を預けるには心許ないのではないだろうか。だからこそ純国産機に拘った先人達の想いも、わかる気はするのだ。 国の威信も確かにあろう。またBETA勢力圏内における日本の戦術機運用方法そのものが米国機では向かなかったという理由もある。しかしそれ以上に、戦術機とは己の身体の延長であり、また棺でもあるのだ。他国製の棺桶に入り冥土へ旅立つのを良しとしないのをあまりに稚拙と嘲るのは簡単でも、戦場という死地へ向かう者のためとするならば、それは正しい思想だったのだと悠陽は思う。 自分は、あくまで後方からしか戦争を見ることは出来ない立場にある。唯一我が身で経験した実戦が自国のクーデター騒ぎというのは今でも心に傷となって残っていた。そんな女が、斯衛専用機とは言え新型戦術機開発のためのシミュレーションに政務の合間を縫ってまで日々参加しているのは、やがては将軍の御座ともなる機体だから、という言い訳が全てではなかった。 「……」 網膜に投影された映像に、いつも感じ、考える事がある。かつてこの横坑を進んだのであろう者のことだ。 喀什の、オリジナルハイヴ。モデルとして使われているデータは、そこを最奧まで制した唯一の部隊のもの。 頭に鈍痛が走っていた。 政威大将軍という立場上、この時間は個人の感傷に浸ることの出来る数少ない機会の一つだった。武御雷を、さらには米国の最新鋭機すらをも超える機体を目指し開発中の新たなる帝国斯衛専用機。カタログ上のスペックデータからだけでもその性能の高さは容易に窺い知ることが出来たが、戦術機の特性上、シミュレーションとは言え動かしてみなければわからないことも多い。 手足の延長どころか、かつて無い一体感がある。 実際にハイヴの中を突き進んでいるかのような臨場感に加え、この言い様のない機体との一体感は自分には少し危険なのではないかと悠陽は眉を顰めた。こうして仮想空間の中で一人の衛士として戦いに身を任せる高揚感は、悠陽の中に深く穿たれた溝を埋めてくれそうで怖ろしくなる。その怖ろしさが、増大していた。 頭の中の警鐘に耳を塞ぎ、進む。 青白く仄かに光る坑壁を一瞥し、悠陽は長刀を携えた機体の右手に注意を移した。 この一体感からすれば、刀の重みすらもっとリアルに感じられても良いのではないかとふと思ったのだ。だが流石に、刀を手にしている感触はあっても重みまでは伝わってはこなかった。 「……ふっ」 馬鹿馬鹿しい。己を一笑に付す。 何を、期待していたのだろう。 軍武を統括する政威大将軍として、戦術機の操縦訓練だけは幾度と無く積んである。しかし実戦では一度として振るわれたことなどない剣に、果たして重みなど無いのではないか、と……――そのようなことをとりとめもなく考えていた矢先、ヘッドセットのスピーカーから管制官の声が流れた。 『パープルアイ0より各機へ。パープルアイ0より各機へ。大規模BETA群が中隊座標へ接近中、注意せよ』 注意を勧告しているにしては焦りのない声。まったく彼女らしいと悠陽は笑みを浮かべた。直属の部下として戻ってきてくれたのは有り難くも頼もしくもある。 しかしそれにしても、激しい情念に導かれるまま国連軍へと移籍してまで戦い続けることを選んだ彼女の従姉妹と比べると、完璧なまでに抑圧、制御された精神力はとても似ているとは思えなかった。 「パープルアイ1、了解。各機、注意せよ。第二、第三小隊は後方にて待機。第一小隊も少し様子を見る」 銃はいつでも撃てる。剣はいつでも振るえる。 横孔は人類の建造物と比較すれば広いが、それでも地下の限定空間に違いはなく、さらにこの先は一部狭まっているようだった。そこで激突するか、それとも支援の容易なこの場で待つか。 ……悠陽は後者を選択した。 突撃前衛各機の構えは、剛胆にして流麗だった。斯衛の中でも特に将軍を直接警護する最精鋭達は、いずれも一騎当千の兵であり、各国軍のトップエースにも比肩する腕前だ。彼らがもし前線に立てば、どれだけのBETAを獅子奮迅の活躍でもって屠り去ってくれるものか。 ――自分は、決してその戦場に立てぬが故に。 迷いを、悩みを、抑え込む術など心得ているはずなのに、レバーを握る手が小刻みに震えるのを、悠陽は止めることが出来なかった。 武者震いでもなければ、恐怖によるものでもない。いっそBETAが怖ろしいだけならまだマシだった。 ――おかしい。 『こちらパープルアイ2! 正面、来ました!』 「!?」 意識を持っていかれそうになる。 『パープルアイ3、こちらも確認しました! 来ます!』 轟音。 突如震動とともに網膜内に赤い光点が溢れかえった。 まさに、波だ。しかもこれは実際のデータから作られている。ならば戦ったのは、波を押し返したのは―― 「ふ、うッ<」 『――!? パープルアイ1ッ!?』 同部隊近衛達の声が遠い。 目の奧がチカチカした。 唇が動き、紡ぎ出した言葉は音になっていなかった。 何を言おうとしたのか、誰を呼ぼうとしたのか。意識は濁り、悠陽から答えを奪う。 一方で、ひどく耳障りなものもあった 早鐘のようなそれはもはや鼓動では無かった。全身が今にも爆ぜそうで、衝動が、加速していた。 『パープルアイ1、パープルアイ1! ……で、殿下!?』 悲鳴にも似た部下の声が、流れていく。スピーカーの音声よりも、自らの鼓動とBETA達が蠢く震動音ばかりが耳に入った。 その音を根絶するために、悠陽は機体を踊り出させていた。
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「そなたには、やはりコレが一番効くようだ」 言うなり、冥夜は大きくも美しく整った乳房を両の手で持ち上げるようにして武の股間に覆い被さり、剛直を優しく甘く柔らかく圧迫した。 「くぁっ!」 きめの細かい肌がまるで吸い付いてくるかのような感覚に、武は喘いだ。 「ふ、ふふ……タケル、私からも、言ってやろう」 「なに、を――」 「――そなた、可愛いぞ」 馬鹿にするでも勝ち誇るのでもなく、純粋にただ思ったことを口にしたのだろう。冥夜の言葉に武はかつてないくらい紅潮した。 恥ずかしさのあまり顔を背けたいのに、冥夜の瞳があまりにも真っ直ぐみつめてくるため逸らせない。金縛りにあったかのように、けれど豊かな谷間に挟まれビクビクと波打っている剛直だけは絶え間なく脈動を続けていた。 「ふむ。そうか……私もタケルに思った通り言ってやれば良かったのだな」 「思った通りって……お、男が可愛いなんて言われて喜ぶわけねぇだろ?」 精一杯の強がりが、真っ直ぐな眼差しには通用しなかった。慈愛に満ちた表情とでも呼べばいいのか、冥夜はクスリと微笑むと亀頭の先、尿道口にキスをした。 「しかし事実として、そなたは可愛いと思うぞ。そなたの顔も、目も、口も、声も、とても愛おしく感じる」 「だからって、やっぱ可愛いは――」 何とか抗おうとして、武はそれ以上言葉を続けることが出来なかった。 「うぉあっ!」 「そら、可愛いではないか」 ぎゅっと胸を圧迫しての一擦り。グイグイと全方位から押しつけられてくるかのような乳房に武は情けない声をあげた。 「こんなに、凶悪なモノなのに……んっ、……ふ、はぁ……♥ 浮き出た血管の一本一本までが、私の胸に喰い込んで、ビクンビクンと動いている……あっ、……はぅ、う……相変わらず熱い、な……これは……♥」 パン生地でもこね回すかのように、冥夜は己の乳肉を揉み始めた。それだけを見ていれば胸を使っての自慰行為に見えなくもないが、実際には冥夜の標的は乳房に埋もれて脈動している武の陰茎だ。 少しずつ、少しずつ、加えられる力が大きく、強くなっていく。 「くっ、……お、お前……ホントに……すげぇよ」 「は、あぁ……く、んっ……す、すごい、とは……なにが、だ?」 この上達ぶりは並大抵のことではない。その事を言おうとして、武は寸前で口を噤んだ。 褒めてさらに伸びられては、完全に主導権を握られてしまう。今も半ば以上握られて、もとい挟まれているとは言え武の男の子としての意地は馬鹿馬鹿しくも健気だった。 「まぁ、よい……ほ、ら……もっと、今度は激しく、ひぅ、んっ♥ はぁ……あっ、ふ、ん……動かして、いくぞ……?」 今度は武の剛直を挟み込んだまま、胸をゆっくりと、徐々に速度を増しつつ冥夜は動かしていった。さらに、ひょっこりと飛び出た亀頭に対して舌の動きも忘れない。 「くぉおっ!?」 乳圧と舌撃の連携に、武は懸命に耐えた。もう殆ど余裕など残されていなかったが、ここでイかされてしまうのは幾らなんでも勿体なさ過ぎるよう思えた。情け無さや男としての意地よりも、単純にもっと冥夜の乳房と舌の感触を味わっていたい。 浮き出た血管の上を、窄められた舌がツツッと這う。そのまま皮と亀頭の間に入り込んだ舌が、裏筋を、カリ首を舐め回していく。
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